
加賀精進・会席料理 壽屋の山縣秀行と申します。
旬の食材や、旬のお料理を通して、金沢の食文化の一端をご紹介できればと考えております。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
私どもの店は、大正10年に、尾張町(旧博労町)の一角にある、江戸末期に建てられた町家を買い取り、精進料理屋として看板を上げさせていただきました。
以来88年、金沢唯一の精進料理専門店として、また近年は、その伝統的な技法で、食材の持ち味を最大限まで活かし、旬の魚介類をふんだんに使った会席料理も多くのお客様にご愛顧いただいています。
まだまだ、「こっとぶきやさんっちゅうたら、法事屋さんやないんけ?精進料理しかあたらんのとちがう?」とのお声もお聞きすることも多いのですが、ぜひ、会席料理もご賞味いただけますと幸いです。
さて、今回は、金沢の婚礼料理をご紹介します。
金沢には、藩政時代以来培われてきた独特の習慣やしきたりがありますが、残念ながら、時代の変化とともに、その多くが忘れられつつあるのが現状です。
金沢の婚礼文化もそのひとつ。
華やかな催しである婚礼には、金沢の様々な伝統文化が凝縮されているといっても過言ではありません。
しかし、残念ながら昭和30年代をピークに簡素化が進み、今では、伝統的な婚礼スタイルをほとんど目にすることはなくなってしまいました。
婚礼の要素のひとつである金沢伝統の婚礼料理もご存じでない方が増えていると思います。
披露宴の主な流れをご紹介します。
最初に「落ち着きの餅」という紅白のお餅を清汁(すまし)仕立てにしたお雑煮をお出しします。
文字通り、婚家に落ち着きますようにという願いが込められているそうです。
そして、御祝肴、お目出度いものを取りそろえた八寸、お刺身、焼き物、煮物と続き、メインイベントの大きな鯛の唐蒸しの登場となります。
鯛の唐蒸しは、治部煮と並ぶ加賀料理の代表ですが、嫁入り道具と一緒に新婦さんが持ってきた2匹の鯛を調理したそうです。背中からおからと銀杏、人参、きくらげ等を炒って煮たものを詰めて、大きな九谷焼の皿に2匹の鯛を腹合わせに盛りつけ、新郎新婦、ご参列者の前にお持ちします。
鯛のお腹をパンパンにする、つまり、子宝に恵まれるようにという願いが込められているといわれています。

このような全国にも誇るべき婚礼文化が忘れられつつあるのがとても残念に思っています。
当然、結婚式に対する考え方、ライフスタイルの変化により、昔のままが絶対とは思いません。
しかしながら、せっかく金沢に生まれ、金沢に育ち、金沢で暮らしたのであるなら、その地伝統の文化で二人の新しい門出を祝うのは、とても素敵なことだと思っています。
私もまだまだ模索しながらではありますが、いまの時代に合った“金沢の婚礼”を創造し、ご提案していきたいと思っています。
( 記2009年7月 )
壽屋は、もっともっとかなざわびとの人生に密着した存在でありたい。 人生の節目を金沢伝統の文化、そして、旬のお料理とともにおもてなし。
お食い初め、七五三、入園・入学、お誕生日、就職、結納、婚礼、還暦のお祝い、そして偲ぶ席。
金沢の魅力を感じながら、かなざわびとであることの喜びを存分に味わっていただけるよう努めます。
加賀精進・会席料理 壽屋
金沢市尾張町2-4-13
0120-186-880
info@kanazawa-kotobukiya.com
yamagata@kanazawa-kotobukiya.com(著者直通)

金沢の食文化

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